2024年12月11日(水)、エア・ウォーター㈱と北海道大学が「食と農業」をテーマにしたトークセッション「北海道のちから『技術・産学連携で切り開く、食の未来』」を開催しました。会場となったのは、先日開業したばかりのオープンイノベーション施設「エア・ウォーターの森」です。北大からは3名の研究者が登壇し、企業や行政などから約30名が参加しました。
セッションの前半は、北大 触媒化学研究所 福岡淳特任教授、環境科学院 野呂真一郎教授、工学研究院 坪内直人准教授が、それぞれの研究について説明。食品の鮮度保持にまつわる研究と社会実装の事例を紹介しました。福岡さんが開発に携わったプラチナ触媒は、低温状態でもエチレンガスを酸化分解できるため、農産品の劣化を抑制する効果があり、およそ10年前から家庭用冷蔵庫に使われているそうです。
後半は、ファシリテーターの繰上誠さん(エア・ウォーター㈱ アグリ&フーズグループ 農業・食品開発センター長)を交えてディスカッションが行われました。食をとりまく社会課題を解決するために産学で取り組めることは何か、また、自身の研究を世の中にどのように生かしていきたいかについて、それぞれ意見を交わしました。
今回のトークセッションは、本学の創基150周年と「エア・ウォーターの森」オープンを記念した連携企画で、産学・地域協働推進機構スタートアップ創出本部 滝田陽介特任准教授(写真4)が企画しました。札幌キャンパスにある150周年広報・社会連携拠点「ENLIGHT」の設置を手掛けた滝田特任准教授は、1年以上前からこの企画を温めていたそうです。「昨年ENLIGHTがオープンした日に、エア・ウォーターの森開業予定のニュースを報道で目で目にしたんです。これはご縁があると感じました。エア・ウォーターの森が「アグリ・フード」をテーマにした施設と伺い、それをテーマにしたトークセッションを企画の第一弾として考えました。」
滝田特任准教授によると、今後もこのようなイベントを定期的に行っていくとのこと。「研究の社会実装にはいくつもプロセスが必要です。今回のような情報発信を通じて、その価値を広く知っていただき、研究を世の中に役立てる仲間を増やしていきたいと思います。エア・ウォーターさんとの連携においても、”協業”が生まれるのが理想。創基150周年のタイミングで、産学連携の成果として、サービスやプロダクト、スタートアップが誕生したら最高ですね」とこれからの期待を語りました。
「エア・ウォーターの森」について詳しくはこちらをご覧ください。
https://airwater-souen.jp/