古河講堂の改修・利活用事業
古河講堂の現状(建物全体に広がる腐朽とひび割れ)
本学は、1906(明治39)年に古河家から施設整備費の寄附を受け、教育設備が充実したことにより、前身の札幌農学校から大学に昇格した歴史があります。それらの施設の大半は解体撤去されましたが、唯一現存する古河講堂は国の登録有形文化財として保全されています。
本事業では寄贈当時の古河講堂を復元し、SDGsの達成やDEI推進に取り組む北海道大学を地域に伝える「場」として利活用します。
また、こども本の森や総合博物館などと連携し、青少年が本物の知にふれられる「場」を形成し、未来社会の創造に貢献します。
復元後の外観イメージ
人材育成事業「イノベーション・フロントランナー」の育成
「学びを、キャンパスから外へ、地域社会や世界のフィールドへ広げる」をコンセプトに、もっと学びたい、研究したい、視野を広げたいと願う学生を支援します。北海道のフィールドを活用し、自身の専門知識と社会の課題を結びつける共創教育や、新渡戸カレッジを中心としたグローバル教育、そして早い時期からのアントレプレナーシップ教育などを通じ、学生の探究意欲や進学意欲を一層引き出すために、学部・大学院一貫の人材育成事業を構築します。
「こども本の森」事業
世界的建築家の安藤忠雄氏が自治体へ寄贈されている「こども本の森」について、本学構内に建築するとの提案をいただきました。「こども本の森」には、「こどもたちに多様な本を手に取ってもらい、無限の想像力や好奇心を育んでほしい」「自発的に本の中の言葉や感情、アイデアに触れ、世界には自分と違う人や暮らしがあることを知ってほしい」という安藤氏の想いが込められています。
この度本学は、安藤氏から「『ボーイズ・ビー・アンビシャス』という精神がある北海道大学はシンボリックな場所。日本だけではなく、世界に飛び立つこどもたちが一人でも出てくれれば」との想いを受け、2026年夏を目指し「(仮称)こども本の森」を開設します。
2023年11月には、本学、安藤忠雄建築研究所、札幌市の三者で基本合意書を締結しました。運営にあたっては札幌市と本学が協力し、こどもたちの心の豊かさ、創造力、好奇心を育み、成長の糧となる場として機能できるよう取り組みます。
バーチャルキャンパス事業
北海道大学の学生に向けてデジタル教育の環境整備を進めるとともに、広く社会に北海道大学の教育・研究の成果を知ってもらえる「場」として、VR技術を活用したバーチャルキャンパスをつくります。
バーチャル講義室
北海道大学総合博物館バーチャル展示
札幌農学校第二農場バーチャル展示
【学生に向けた教育での活用】
・Web経由でゼミや講義、研究会に参加できる
・解説動画や講義にアクセスして、より専門的な学習ができる
・解説員が案内するバーチャルツアーに参加できる
【学外の方々へ向けた魅力発信での活用】
・Web経由でいつでも・どこからでも大学キャンパスにアクセスして、キャンパスの雰囲気を楽しみながら、研究・展示コンテンツを体験できる
・実際のキャンパスでは非公開の部分をバーチャル空間で体験できる
・バーチャルキャンパス限定のイベントに参加できる
・総合博物館を訪問する前に事前学習ができる
北海道大学百五十年史刊行物編纂事業
本事業では、創基150周年に向けて「北海道大学百五十年史刊行物」として、以下の編集・刊行を行います。
- 「北海道大学百五十年史」
通説編2巻、資料編4巻の計6巻で構成して、各巻700-800ページ程度の分量により北海道大学150年の歴史を網羅する内容を予定しています。 - 「写真集 北大150年」
500枚程度の写真を編集し、北海道大学150年の沿革を紹介します。創基150周年式典の時期に合わせて刊行予定です。 - 学生向けブックレット「北大生と北大の歴史」(仮題)
北海道大学の歴史に関する学生向け講義等でテキストとして使用することを念頭に作成し、2026年度から数年間学部入学生に配付することを想定しています。
これらはすべて、国立大学、アーカイヴズ関係機関、図書館、関係自治体等に配付します。1. に関しては、刊本のほかにデジタルデータをHUSCAP等においてweb公開することを、2. 3. に関しては、北海道大学出版会等から一般販売を行なう可能性を検討しています。
本事業は、「北海道大学150年史編集室」が中心に手がけております。詳しくはこちらをご覧ください(編集室ウェブサイトへ)。