タイムカプセルに託した想い、創基150周年で開封

2026-08-10

タイムカプセルに託した想い、創基150周年で開封

札幌キャンパスの正門を入ると、すぐ右手に事務局庁舎があります。この場所はもともと予科・実科教室として学生たちが学んだ場所で、1935年に現在の建物へ建て替えられました。戦後は法文学部の校舎として使われ、1966年からは事務局庁舎として北海道大学の運営を支えています。

北海道大学予科は、1907年、札幌農学校が東北帝国大学農科大学へ昇格した際に設置された教育機関です。現在の教養課程にあたる役割を担った機関で、学生は予科で一般教育を受けた後、それぞれの専門課程へ進学しました。新制大学への移行に伴い1950年に閉校するまでの約43年間で、およそ1万1000人が学んだといいます。

こうした予科の歴史と伝統を後世へ伝えることを目的に、卒業生らでつくる「北海道大学予科記念碑建立期成会」の寄附によって、2004年に「大志を抱いて」と記された予科記念碑が事務局近くに建てられました。そして同年11月には、記念碑建立を記念して、期成会の手により「北海道大学予科記念碑建立期成会タイムカプセル」が記念碑のそばに埋められたそうです。

それから20年余り、2026年7月27日(月)にタイムカプセルの発掘と開封が、北海道大学予科記念碑前で行われました。

発掘では、副学長らがスコップで土を掘り進め、地下約50センチからタイムカプセルを取り出しました。

発掘したてのタイムカプセルを手にする
横田副学長(左)、長谷川副学長

開封は、期成会が残していた「開封手順書」に従って行われました。はじめにノコギリが使われ、厚さ1センチほどあるプラスチック製のカプセルを切断。この作業に最も時間を要しました。カプセル内部には資料の劣化を防ぐためアルゴンガスが封入されており、開封手順書やタイムカプセルの図面、内容物一覧などが収められていました。一覧には「タイムカプセルを開けてくださり誠にありがとうございます」と、未来の開封者へ向けたメッセージが残されていました。

発掘されたタイムカプセル
ノコギリを使いタイムカプセルを
切断している様子

発掘した長谷川副学長は、「20年以上前に、このようなタイムカプセルが埋められていたことにまず驚きました。自分自身はタイムカプセルを埋めたことがなく、小説やテレビドラマの中の出来事という印象だったので、とても貴重な経験になりました」と感想を語りました。

また、横田副学長は「予科の卒業生が記念碑を建立し、タイムカプセルを埋めたのは、自分たちが生きた証や予科の歴史を後世へ伝えたいという強い思いがあったからだと感じています。その思いに感動しますし、自分たちもその歴史を伝えていかなければならないと思います」と話し、先人から受け継いだ歴史を未来へつないでいくことの大切さを話しました。

カプセルには、「北海道大学予科記念碑建立記念誌」や「北大予科閉校40周年記念誌」などの資料も収められていました。建立記念誌には「北大創基150周年記念の機会に開封されることを願って」と記されていて、その願いどおり創基150周年となる今年、開封の日を迎えました。

資料を手に取る横田副学長(左)、長谷川副学長

今回取り出された資料は、今後北海道大学文書館で保存される予定です。22年前に埋められたタイムカプセルには、当時の資料だけでなく、歴史を未来へつなごうとした関係者の思いも込められていました。

内容物一覧に記されていた未来の開封者へのメッセージ

(参考資料)
北海道大学総務課「北海道大学予科記念碑建立期成会タイムカプセルの開封について」

文:広報・社会連携本部 広報・コミュニケーション部門 広報インターン 木村
写真:広報インターン 石川