総長挨拶

北海道大学は2026年に創基150周年を迎えます。北海道大学は 1876 年、日本で最初期の学位授与機関(大学)として設立された札幌農学校を前身として、以後およそ 150 年に及ぶ歴史の中で、力強い発展を遂げて参りました。この間、地域社会はもちろん、国内外に数多くの人材を輩出し、地域と世界の発展に寄与してきました。

建学の精神の中心には、フロンティア精神が据えられ、全人教育の考えのもと、未踏の学問領域の開拓、実学による社会貢献の推進、そして世界に繋がる人材の養成を進めて参りました。その歴史は、創基の起点である明治初期において、すでに海外からの教員による英語教育の実施など、日本の他の大学とは一線を画すものでした。加えて、先人達の語りつくせない努力が結実し、世界でも有数の規模を誇るキャンパスを持つ総合研究大学として発展してきました。

2026 年は、この 150 年の分厚い歴史と類稀な環境によって醸成された潜在力に磨きをかけ、唯一無二の「比類なき大学」として、世界の課題解決に貢献する大学を目指す、次の 150 年のスタートにもなります。

北海道大学は、世界の課題、日本の課題を典型的に抱える課題先進地にある大学として、「公共財」としてその価値を高め、卓越した世界的研究能力(Excellence)、そして、地域に密着した課題解決のための社会への拡張力(Extension)を融合したハイブリッド大学「社会と歩む卓越(Excellence walking with Society)」を目指します。北から新しい世界を作っていくという決意をもって、「光は、北から」を合言葉に、次の150年を見据えた創基150周年記念事業を進めるとともに、記念募金を創設いたしました。卒業生、関係者ばかりではなく、地域住民の皆様、企業の皆様からのご支援を心よりお願い申し上げます。


北海道大学総長